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抗がん剤による脱毛はなぜ起きるの?
体毛は、皮膚の内側の根元にある毛母細胞(毛を作るもとになる細胞)の分裂によって成長します。毛母細胞は、身体の細胞の中でも細胞分裂が非常に活発に行われているところです。
抗がん剤は細胞の動きが活発な部分の働きを抑える為、細胞分裂が非常に活発な毛母細胞は、その影響を受けやすく、結果脱毛が起こります。
また、体毛の部位によって影響の受け方は異なり、髪は、その80~90%が細胞分裂の活発な状態なので、体毛の中で最も影響を受けやすいと言えます。
抗がん剤治療をするとすぐに髪は抜けるの?
抗がん剤の副作用によって髪が抜けてしまうとは言え、投与後すぐには抜け始めません。一般的な例ですが、投与開始から約2週間~1ヶ月程で脱毛は始まると言われています。
この際、始めは少量の抜け毛で、少しずつ抜け毛の量が増えていくケースが多いようです。
抗がん剤治療をすると髪は全て抜けるの?
抗がん剤治療を行うと、全ての髪の毛が抜けてしまうと思っている方も多いようですが、実際には、必ずしも全て抜けてしまう訳ではありません。
抗がん剤の種類や、投与量によって脱毛の程度は異なります。
ただ、「脱毛するのは強い抗がん剤、しないのは弱い抗がん剤」というだけでもなく、その人の体質やその時の状態でも変わります。
同じ薬でも脱毛・発毛の程度やペースにはかなりの個人差があるようです。
それなので、全て抜ける可能性もあれば、抜けたけどウィッグを着けない程度だったり人それぞれです。
ある程度の覚悟と、今後の生活への準備をしておくと良いでしょう。
ちゃんと生えてくるの?
脱毛は永遠に続くわけではありません。
正直、再び生えてこない可能性もゼロではありませんが、生えてくる確率の方が高いと言われています。
一般的には、抗がん剤の投与終了後3~6ヶ月ほど、早い人だと1〜2ヶ月ほどで再び生え始めて来ます。
最初は産毛のような柔らかい毛から生え始めることが多く、側頭部や後頭部は、1ヶ月に1cmほど伸びますが、前髪や頭頂部は伸びにくく、全てが生え揃うには、約8ヶ月〜1年程度の期間が必要になると考えておくと良いでしょう。
ただし、抗がん剤の薬の種類や人によっては、再び生えてくる髪の毛が以前とは全く違った髪質になるケースがあります。
もともと柔らかい髪質だったのが固くなったり、ストレートだったのがくるんくるんの癖毛になったり、白髪が増えたり…症状は色々です。
反対に、髪が元より増えたり、白髪の方が多かったのに黒髪の方が多くなったり…。など、嬉しいケースも稀にあるようです!
それから、髪の毛が生えるスピードにも個人差があるので、仮に時間が掛かったとしても焦らず待ってみましょう。
詳しくは担当医に相談してみると良いでしょう。
真新しい髪が生えてくる!
抗がん剤による脱毛症状は、誰もが憂鬱になったり、髪質が変わったことで不安に感じる方もいると思いますが、生えてきた髪はノンダメージの完全なる新しい髪です。少し考え方を変えると髪質を改善するチャンスだと捉えることもできます。
漠然と心配するより情報を集めて脱毛に備えた心構えや準備をすると、少し不安が和らぐでしょう。
脱毛時の髪と頭皮のケア
元々の髪が長ければ長いほど、脱毛時により多くの髪が抜けたように見えてしまいやすいのと、脱毛が始まると抜けている髪とそうでない髪が絡まりやすくなるので、あらかじめ短くしておくのも良いでしょう。
脱毛時のシャンプーの仕方
1:ぬるめのお湯で予洗い
ぬるめのお湯(シャワー)で髪を2分ほど予洗いする。予洗いで汚れの7割程度は落とせます。
2:シャンプー剤をよく泡立てる
シャンプー剤は充分に泡立てます。しっかり泡立てる事で摩擦を軽減させ、頭皮や髪への負担が少なくなります。指の腹を滑らせるように優しく洗いましょう。
3:コンディショナーは毛先を中心
ぬるめのお湯で泡をしっかり流したら、毛先を中心にリンスやコンディショナーをつけ、ある程度洗い流しましょう。
4:ドライヤーでしっかり乾かす
すすぎ終わったら、頭皮を擦らないようにしながらタオルで水分をよく拭き取り、ドライヤーでよく乾かしましょう。濡れたままで長時間過ごすのは雑菌が繁殖しやすく頭皮環境に良くないので、なるべくすぐに乾かしましょう。
パーマやカラーはしても良いの?!
治療中のパーマやカラーは頭皮に刺激を与えるので控えましょう。
治療後は状態を見ながら、一年後くらいを目安に考えておくと良いです。ただし、以前は問題なくカラーやパーマをしていた人でも、治療後は炎症を起こしたり、かぶれたりする可能性もあります。担当医に相談して、大丈夫そうであれば、担当の美容師にも相談して慎重に行っていきましょう。
治療後、一年以内に白髪が気になって早く染めたい場合は、アルカリカラー剤ではなく、地肌に付けず髪の表面だけを染めるヘアマニキュアの方が比較的トラブルが起きにくいとされています。
アルカリカラーでも頭皮につかないように薬剤を塗布する事は出来ますが、流しやシャンプー時に少しは付いてしまいます。とは言ってもほんの少しの時間ですが、、よく理解した上で行いましょう。
治療中に育毛剤は使って良いの?
育毛剤は頭皮の血行を良くする作用があり、抗がん剤の副作用の影響を受けやすくしてしまう可能性があります。それなので、治療中の育毛剤の使用は避けた方が良いでしょう。同時に頭皮マッサージも避けた方が良いでしょう。
治療終了後は育毛剤もマッサージも発毛に有効的ですが、頭皮が敏感になっているため、育毛剤はかぶれなど刺激を受けやすくなっています。様子を見ながら使ってみてください。
ウィッグ(かつら)を買う時期は早過ぎない方が良い!
大抵の情報には治療前に早めに買っておいた方が良いと書いてありますが、、
脱毛する可能性があるのであれば、治療前にどれを買おうか、ある程度決めておいた方が良いです。
というのも、治療を始めると体調も不安定になるので、出歩いたりする事も気分的にしずらくなります。かと言って、必ずしもウィッグが必要になる程に脱毛するとも限りません。
実際ARUGOのお客様でも、思ったより抜けず、事前に買わなくて良かったー!とお話ししていた方もいます。
ウィッグの購入を考えているようであれば、事前に自分の頭(前、横、後ろ)の写真を撮っておきましょう。そうしておく事で実際にウィッグを購入する時、あるいは購入したウィッグの毛量や形を整える時に、今までの自分の髪型に近いものを選ぶことができ、購入先で相談する際にも役立ちます。
ウィッグは何を選んだら良いの??
ウィッグにはおしゃれ用と医療用があります。医療用は頭皮に当たる部分の素材や締め付け、通気性、分け目の頭皮の見え方など、色々な配慮が施されています。治療中、後は頭皮が敏感になっているので、医療用の購入をお勧めします。
医療用のウィッグについては詳しくまた別のブログで書いていきます。
美容師が寄り添います
癌や病気の事、円形脱毛症や脂漏性湿疹などの皮膚炎など、なかなか他人には話しづらいようなデリケートな話でも美容師は時にお客様からお話される事があります。症状によっては薬剤を使うカラーやパーマはもちろん、カットの仕上がりやシャンプーも気をつけて施術する必要があるからです。
美容師もある程度の知識があったうえで、お客様と相談しながら現状の事、今後の事を一緒に考えていきましょう!
このブログは湘南・茅ヶ崎にある美容院『ARUGO』が提供しています。
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